11月19日〜21日の3日間、小田原市議会 会派 誠風で行政視察に行ってまいりました。

今回視察させていただいたのは

愛知県春日井市 公民連携による移動販売事業について

岐阜県各務原市 シティープロモーション推進事業について

岐阜県各務原市 寺子屋事業2.0について

愛知県一宮市 尾張一宮駅前ビルの整備と公共施設の複合化の効果について

愛知県春日井市では、「公民連携による移動販売事業」について産業部経済振興課長からご教授いただきました。

その昔、名古屋のベッドタウンとしてニュータウンが大量に展開し、当時20〜30代だった方々が現在70〜80代となり、車に乗れない交通弱者が増えていることと、ニュータウン周辺には商店が無い(ニュータウン展開当時は皆さん若く、少し離れた大型店舗に車で向かっていた為周辺商店が殲滅してしまった)ことから移動販売事業の要望が高まったそうです。

この事業は、終始一貫して「ビジネスに乗せる事」を軸に検討が進められていました。

通常の流れだと買い物弱者・交通弱者対策で「福祉目的」とした事業を行いそうな所ですが、福祉事業として進めると補助金が出なくなった時点で立ちいかなくなるので、あくまで「ビジネス」として事業者が主体となって進むようにしてきたとの事でした。


車両購入費を予算措置、春日井市観光コンベンション協会からスーパーに貸与し、音楽をかけながら移動。販売車両が来たのがわかるようにしているそうです。冷蔵冷凍庫積載により生鮮食品やアイス、冷凍食品なども。

商品1品あたり10円を徴収し、今後の車両維持費に繋げるともご説明いただきました。

移動販売としてポイントとなるのは、商圏調査エリアニーズと運行ルート。

大きくこの2点をまとめる為に、行政と社協でアンケートや意見交換会を実施し、来れば必ず使う方々には軒先きや駐車場を販売箇所として借りるなど利用者にも協力を仰ぎ、観光コンベンション協会と民間事業者(地域のスーパーマーケット)はそれら要望を元に運行ルートや販売商品などを工夫していく、行政だけ・民間だけではない公民連携した施策が奏功している様が見て取れました。

利用されている市民の皆さんも、「移動販売車が来てくれて助かっている。撤退されないように、しっかりと利用していきたい。」と事業継続を願い応援するコメントが聞けました。事業収益もまずまず伸びてきているようで、当初からの目的である「ビジネス」に拘った連携事業が軌道に乗り始めている所でした。

本市においても、中心市街地から外れた地域は沢山あります。

これまで交通弱者・公共交通の問題についても市民の皆さんの要望は伺ってきましたが、交通弱者の方が動くのではなく、こうした事業者側がお客さんの元へ動くという発想の転換も時には必要だなと改めて実感しました。

移動販売については小田原市内でもこれまでにいくつかの事業事例があるようですが、今後益々需要が高まってくるものと考えられますね。

 

 

 

二日目は各務原へ。

午前午後と、各務原市で1日中視察研修させていただきました。

まず午前中はシティープロモーション推進事業について

岐阜県各務原市

「かかみがはら」と呼ぶのが正式名称だそうですが、

駅名は「かがみがはら駅」

高校は「かかみはら高校」

色んな呼び方をする、名前に寛容なまちだと各務原市議会事務局長よりご説明がありました。

各務原市中央には航空自衛隊岐阜基地があり、同市内に航空博物館もある通り飛行機にとてもゆかりのある地域で、元々飛行機の製造をはじめとした製造業・ものづくりが主産業のまちであり、有効求人倍率はなんと2.5倍(因みに小田原は令和元年9月で1.02倍)もあり、非常に仕事が豊富なまちであるようです。

豊富な仕事を武器に、移住定住人口の増加をいかにすすめるか。市をどう見せるか。を念頭に「自然・もの・行政サービス」自治体にとっての商品をPRする手法として、H29年から市長肝入りの直轄組織・広報課でシティプロモーション推進に取り組み始めたそうです。

メインターゲットは20〜30代のこれからバリバリ働く結婚出産子育て世代。ライフスタイルにも言及し、生活にこだわりがある人。感性豊かな暮らしを求めている人。

メインターゲットに当てはまってしまった私は、その取り組み全てに共感を禁じざるを得ませんでした。

「ブランドビジョン」を策定する為に、職員によるプロジェクトチームでワークショップからブランドコンセプトの設定。この経緯も、職員と市長の情熱を非常に感じました。

ブランドコンセプトを具現化するための3つの柱として⇨空で育つ、大地で育つ、自分らしく育つを軸に、ファーストクラスならぬ「かかみがはらClass」をキャッチコピーとして、魅力づくりと共感づくりを展開。

 

このシティプロモーション全般がこちらのHPに掲載されていました。

https://ourfavorite-kakamigahara.jp/

いくつか例として、

・野外フェス

野外フェスを行政がプロデュース。出演者のブッキングも職員の方が行うそうです。

とてつもない違和感ですが、確かにお祭りとして考えると行政手続きなどは最強にスムーズですし、市民ボランティアも多数参加されるとの事ですので、公民ともにまちの魅力と共感をつくっているというそのものですね。

 

・マーケット日和

おしゃれなお祭りです。

ブランド戦略が細部まで浸透しているのが見て取れます。出店も他企業とのコラボにするなど、様々な融合がなされていて大変面白い取り組みとなっています。

・移住定住総合窓口

とってもおしゃれな相談窓口です。イオンモールに出店しているそうで、これが行政の窓口なんですから、市外の方はおしゃれな街・行政だな、と期待を持ちます。

DIY型の空き家を求める方も多いそうで、空き家対策にもつながっているようです。

・KAKAMIGAHARA STAND

https://kakamigaharastand.com/

公共施設の軽食場所で赤字で困っていた所を借りて、カフェを開始。ただカフェではなくて、体部(からだぶ・ヨガ)、酒好きは酒部、カメラ好きはカメラ部など様々な趣味の集まる場としても活躍しているようで、面白い融合を進めているそうです。

・市の広報誌

とてもおしゃれなつくりの広報誌です。

市民がライターとなって記事にして、デザインはデザイナー。随所におしゃれな感覚が盛り込まれて、記事も市民目線なので取り上げた店などに対しても公平であり、不満の声が出ないそうです。

 

 

書類をいただいた封筒も、大半の市町では紙封筒ですが、こちらのおしゃれビニール袋です。

各務原のブランドコンセプトもしっかり記載されつつ、おしゃれなテイストは忘れません。

これらの他にも、団地の過疎化にカメラ部が「写ルンです」でおしゃれに撮影した写真を展開したり、東京に出店した岐阜のアンテナショップにも出店するなど etc

枚挙にいとまがなく、この各務原「ブランド」をご紹介いただきました。

そして、このシティプロモーションを進めるに当たって、中核となる人物のパワーが庁内に伝染した事と、市長の情熱が非常に伝わってくる内容で、だれか一人では進める事はできず、その想いが順々に伝わっていく事の大切さを改めて感じるとともに、この各務原では広報課が市長直轄であり、事業が始まった所で専門の所管に引き渡す流れが確立されていることも素晴らしいなと感じました。

行政に横串を刺すシステム。改めて感銘を受けました。

午後からは寺子屋事業2.0について。

寺子屋とはそもそも江戸時代に、お寺で読み書きを教えていたことから寺子屋と名付けられたそうですが、この寺子屋事業は市長選挙でのマニュフェストとして掲げられた項目であり、こちらも各務原市長の熱い情熱が伝わってくる内容でした。

コンセプトとしては

①未来を担う子供達に「夢や目標」を持って成長してほしい。

②強度への「誇り」を持って成長してほしい

③「基礎学力」をしっかりみにつけてほしい

④体験活動を通じて「豊かな心」を養ってほしい

 

この4つのコンセプトを軸に、地域資源を活用し、地域の皆さんと共に子供達を見守り、育て、夢を育む環境を作り上げ、地域の絆を強化するという目標の元行われているとの事でした。

さらにこの寺子屋事業がスタートし、いくつかの分岐と発展がされたようで

・基礎学力定着事業

教育委員会から、教員OBの方に依頼して指導している

参加人数は全児童の約10%くらい(約500名)

地域の方にとっても良いコミュニケーショんとなっている

中学生では、塾に行っていない生徒を主な対象として年間40回開催

(H28年2箇所、H29年4箇所、H30年6箇所、R1年8箇所と年2軒づつ拡充

*担当課が指導者をみつけてくる

・福祉体験学習

介護の技術体験。定員20名に対し10名程度の募集で少し少ないが、体験した事で福祉の道を志すという子もいたとの事。

・ふるさと歴史発見事業

歌舞伎の化粧「隈取」をプロの指導の元親子で体験

・各務原ものづくり見学事業

ものづくりの街として、産業の見学を実施している

(小中学校で内容が変化)

などが行われているそうです。

事業自体は各課で実施、それらに冠をつけて寺子屋としているそうで、放課後児童クラブとの連携も基礎学力定着事業などで行われているとの事。

この基礎学力定着事業は本当に素晴らしいなと感じたのが、教職員OBや大学生が講師となり、大学生に関しては教える事を学ぶ場にもなっていることと、小学校などでは先生が児童の学習に対して遅れを感じた時に、この寺子屋事業を保護者に進めて好評をいただくほどに浸透してきているとの事でした。

 

昨今中学生にもなると塾に通う通わない事で学習量や内容に差がついてしまうのが現状です。家庭の事情で塾に通えない子供さんや、または塾に行くほどでもない場面、一番初めのつまづきが3年生から起きやすい為、3年生から基礎学力定着事業を実施しているなど非常に練りに練られた施策で、広く学力向上に寄与するであろう素晴らしい事業だと思いました。

3日目最終日は愛知県一宮市。

「尾張一宮駅前ビルの整備と公共施設の複合化の効果について」

をご教授いただき、駅ビルの各所を視察させていただきました。

一宮市は人口39万人と小田原の約2倍の人口規模。

名古屋駅まで快速で10分程度と非常にアクセスが良い点から、名古屋のベッドタウンとして人気のある一宮市です。

駅ビルの通称は「iビル」

建設費は64億5千万円ながら、合併特例債により市の負担は25億円程度で済んだそうで、非常に羨ましい限り。

駅ビルの要望をH6年、10年、12年、14年に建て替え要望してきたが通らず、該当アンケートなど実施し、JRも方針転換。JRの土地を借りて公募型プロポーザルにより市の事業として建て替え、H28年稼働開始したそうです。

駅ビルとしては非常に珍しい広いテラス「シビックテラス」が売りだそうで、イベントや車メーカーの展示など様々な事業に利用されているそうです。

当初の民間委託⇨指定管理に。指定管理にしてから収支は少し良くなったが、経営は1億円くらいの赤字があるそうで、やはりハコモノはお金がかかりますね。

 

シビックホール稼働率57.5%(広い多目的ホール)

シビックテラス稼働率33.4%(上の写真、半屋外テラス)

オープンギャラリー稼働率24.7%(7Fのギャラリースペース)

多目的室大 稼働率99.2% 小93.4%

会議室大91.8% 小96.2%

 

稼働率の低い所を上げていくのは目下の課題でもあるようですが、会議室などはかなり高い稼働でありやはり駅直結の利便性がポイントとなっているのでしょうか。

 

また、この駅ビルから中心市街地に人の流れを誘導するのが建設前後での課題となっているそうです。

3フロアを使用した広大な中央図書館は、様々な専門書の他に近代的なDVDスペースなども併設。なんと夜9時までやっているので平日お勤めのサラリーマンも仕事帰りに利用可能。客層は大きく変わったそうです。

 

子供向けの階層では、こどもの目線に本棚を下げてありました。

また、実際に子供さんが沢山いた為撮影できませんでしたが、一時預かり所や子供の遊び広場など。

小田原のお城通りに建設中の複合ビルに関しても、低層階に商業施設、高層階に宿泊施設と図書館等が入る予定となっており、図書館と子供さんのスペースについては音の問題が懸念されていましたが、こちらのiビルでは音の問題は起きていないそうで、ひとまず安心といった所でしょうか。

また駅ビルには「市民活動支援センター」が入っていて、この取り組みが実に面白いものでした。

題して

*市民が選ぶ市民活動支援制度*

市民活動団体が、実施する事業に対して、市民の投票数に応じて支援金を交付するというシステム。

今年で言うと、654円×投票数との事です。

千葉県市川市が先進的に始めたもの、とご教授いただきましたが、こうした市民参画への工夫も非常に興味深い所でした。

小田原ではお城通りに建設中の駅ビルができると、人の流れが変わる可能性があり、こうした点で建設後の人の流れはどうですか?という神戸議員の問いに対して、従前から近くに商店街があって、人の流れが変わるという懸念はあったものの、実際減ってはいないが商店街まで波及効果は出ていない、横ばいであるとの回答でした。

駅出口には大型のスクリーン。

私はこうしたガジェットが大好きです。

こうしたスクリーンで様々なPR広告で収益を出したり、市内のPRをしたり、様々な波及効果が見込めるのではないかと考えました。

 

 

 

今回の行政視察では、いずれも公民が連携して、それぞれの持ち味を生かした事業展開と面白い施策を沢山学ぶ事ができました。

これには行政の縦割りの中でも横串を刺せる組織づくりと、熱い情熱を持った市長のマインド、より市を良くしたいと強く願う行政マン、そして市民の声(想い)と協力が非常に重要なんだろうなと強く感じました。

 

新たな学びをいただきました春日井市、各務原市、一宮市の皆様、貴重な情報をご教授いただき誠にありがとうございました。

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